鍼灸のコト

鍼灸は痛くて熱い?…その真実

真実!…少し大袈裟な言い方になってしまいました。

が、鍼灸について少し興味があっても、この疑問は鍼灸施術を受けるか受けないかを決める大きなハードルになるのではないかと思います。いかがですか?

真実とまではいかないかもしれませんが、そんなみなさんの知りたいことをお伝いします。

多くの鍼灸師は、「鍼は痛くないし灸は熱くないですよ…」と言うと思います。先ほど書いたように、痛みや熱さは受鍼の大きな障害になるからです。

鍼灸師は痛みの出にくい鍼の打ち方の技術、痛みを緩和する心理的なアプローチなど様々なスキルを身につけています。また、最新の鍼の製造技術の進歩も痛みを感じにくい鍼灸に大きく関与しています。これらの裏付けを持って、鍼灸は痛くないし、熱くない…ということには大きな間違いはありません。

しかし、痛みを感じるのは受け手の皆さんです。痛みの感じ方は一人一人大きく違っています。使用する鍼の太さは0.14~0.2mm程度と髪の毛くらいのものですし、先ほど書いたように製造技術の進歩で鍼先が痛みを感じにくい作りになっていることもあり、多くの場合は、いつ鍼を刺したかわからないと言われます。それでも尖ったものを身体に刺入する.ことに違いはありません。人によっては打った鍼の全てが痛くてちょっと耐えられない…と言う方もおられます。また、鍼刺激が持つ特有の“ひびき”と言って、身体の奥の方でずしんとくるような感覚があり、これを痛みとして感じてしまう方もおられます。これらは稀な例ですが、ネガティブなイメージは大きく伝わる傾向もあり、鍼は痛い…というイメージがあるのではないかと思います。

ここで少し違う面から考えてみます。身体を健康に導くためのものというとどんなものを思い浮かべるでしょう?

・運動 ・ダイエット(食事制限) ・肌の手入れ(日焼けを防ぐ) ・早寝、早起きなど

これらは全てある程度の苦痛や体への刺激を伴うものと考えられます。ですからなかなか続かないw 僕も一緒です笑

身体を良い方向に導くにはある程度の刺激(苦痛=痛み)が必要ということです。最近の考え方で「ホルミシス」というものがあります。簡単にまとめると、多すぎると有害だが適量なら有益と言うことです。痛みなくして得るものなしという言葉もこれに近いかもしれませんね。

鍼灸施術もこれに近いものだと考えています。全ての鍼刺激を痛みとして感じてしまうようであればそれは刺激過多で有害でしかない。適度な刺激として感じてもらうこと、施術する側も感じ方を認識して刺激を選択することが重要です。

ということで鍼灸の痛みも熱さも人によって感じ方が違うということです。痛みを強く感じるときや熱すぎる時にはしっかり伝えてください。一人一人に合わせて刺激の量や質を調節できるのが鍼灸師の技術の一つでもあります。

刺さない鍼、熱くない灸もご用意しています。

痛いから、熱いからだけで鍼灸を受けるのを躊躇わないでいただきたいと思います。

受ければその刺激で皆さんを健康に導くことは間違いありません。

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