季のつぶやき

天皇盃 第27回 全国男子駅伝 中止決定 から約1週間…の喪失感について

先週の水曜日、毎週一回の学校での授業中にそれは発表されました。授業が終わって教員室に帰ったら、毎年女子チームに帯同しているトレーナーが「私の胸で泣いていいよ…」と近づいてきて、何のこっちゃと思っていたら、たった今ニュースに出てたと聞いたのでした。そして携帯を見ると監督からの着信も残されていました。

言うまでもなく、私は選手でなければコーチでもありません。この大会のためだけにチームにトレーナーとして帯同しています。毎年年末から1月の大会まで、中学生、高校生中心の合宿や練習会に帯同して選手のコンディショニングを中心に担当させていただいており、今年で6年目になります。毎回毎回ほとんど入れ替わる中高生と接していて、トレーニングから大会当日の走りを見ていると、毎年新しい発見があり、毎年高まる感動を覚えます。今回も昨年末から練習会で顔を合わせてこれからコミュニケーションをとって当日に向けて準備していこうとしている、その矢先の中止。大会が開催される広島の感染状況から見て、なんとなく予測していたこととはいえ少しショックでした。また、週末には全国女子駅伝が行われてそれを見ていると一週後にあるはずの大会がないのが嘘のように感じてなんとも言えない喪失感に襲われました。私でこのように感じるのですから、普段から選手と接している監督・コーチの気持ちはいかばかりかと思います。

現地でのトレーナールームの様子

中止を受けて、翌々日には練習会の予定が全員集合しての解散会。僭越ながら、一番残念な思いをしている選手たちへの励ましの一言をかけさせてもらいました。あまり選手と関わることが少なかったのに私が話す気持ちになったのは、5年前高校生でこの駅伝の一区を走った選手がこの中止を受けて書いたブログを見て、どうしてもそのことを学生に伝えたいと思ったからでした。

その選手は現在NTT西日本で活躍する小林 歩くんです。彼はこの駅伝の一区、全国から集まった強豪の高校生たちの中で走り、七位という上位で戦えたことがその後の強者揃いの駒澤大学で走る自信になったと書いていました。また、中高生、大学生・社会人が一同に揃って行われる大会で走る経験の貴重さについても触れて、中止がとても残念で、特に高校生たちの気持ちや経験できなかった貴重な時間を慮っていて、そのことを今回の学生に知ってほしいと思って話しました。(小林くん、勝手に紹介してしまってゴメンね)

都大路を走った高校生以外にこの大会を貴重な機会と考えていた高校生はたくさんいます。そんな高校生の気持ちを考えると中止は残念でなりません。そんな選手たちの気持ちのこもった走りを見ることができないこと、またその現場に携われなくなってしまったことが合わさって、この喪失感はあるのでしょうか…

来年こそ3年ぶりに大会が開催されることを心から願っています。

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