これまでのコラムや自身の紹介ページをご覧いただいた方に、私のことはどのように写っているでしょう?当院に来院いただく方には「すごく健康そう!」と言われることが多くありますが、実はそんなことはなく、今も身体の調子はあまり良くありません。
ここでは病気のことではなく、病気や怪我を発症してしまった時にどう感じ、どう考えてその病気や怪我と戦うか、付き合っていくのか。そのことについて考えたいと思います。
怪我には理由がある
私は裸足ランニングを行なっていますが、裸足で走っていると走り方が悪くなると足裏の摩擦が強くなって痛みが出たり、足が上がっていなくて躓いて指先からの流血ランになったりします。痛いです笑…が、だからシューズは履けないんです。走り方の悪さ、集中力の無さ、身体の使い方…などなど、裸足ランニングから学ぶことがたくさんあるからです。
怪我をするには理由があります。ある高校のスポーツ専攻科に身体の使い方について講義に行った時のこと。一人の女子学生が左足にギプスをつけて松葉杖をついて授業に来ていました。私はてっきり競技で怪我をしたと思い込んでどうして怪我をしたのか質問したところ、返ってきた返事は駅の階段で滑って骨折したとのことでした。状況を聞くと「ある雨の朝、いつものように徒歩5分ほどの駅まで行った時に定期券を忘れたことに気づき、走って取りに帰って、遅刻しそうになったので慌てて階段を走って降りている時に滑って転んでしまった」…とのことでした。定期券を忘れたのは、前の日に買ってもらった新しいバッグに、その日の朝荷物を入れ替えた時入れ忘れてしまった…怪我をするには理由があるのですね。
ある高校では、部員に家に帰ったらまず次の日の準備を済ます事を指導しているそうですが、これは生活態度の乱れが競技に影響するという良い例だと思います。
そのほか、自分の競技レベルに合わないトレーニングや身体の使い方、誤った道具の使用、集中力の欠如などなど、スポーツに関わる怪我には全て理由があります。そのことに気づき、自ら理解することで治療への前向きな態度や再発の予防など、多くの得られるものがあると考えられます。
病気にも理由がある?
病気にも同じことが言えると思います。私は不整脈を持っています。6年前に失神して倒れ、その後ペースメーカー植込みをしていますが、今も心房細動が止まらず好きなランニングやアニマルフローなどのトレーニングは思うようにできません。脈が乱れると少し動くだけでも息切れするし院の階段を登るのもしんどいくらいです。自分の院なのに笑
そんな状況は辛いし、スッキリ治ったらどんなに良いかとも思いますが、体調不良の時には自分の生活を見直さないと…と、考えるようにしています。6年前の時もそうですし、その後も心不全で2ヶ月安静にしていたこともあるのですが、その時も今も、身体に影響しているのはストレスと少し度を過ぎたトレーニング、そして飲酒だと、病気に教えてもらっているからです。自分ではストレスが多いとは思っていないのですが、やはり生活や仕事などの環境の変化は多少のストレスになります。ストレスの耐性は人によっても違うし、その時々の体調によっても違うものなので、今の自分にとっては強く感じられているのだと考えてできるだけおおらかに生活するように努力しています。ただ、トレーニングも飲酒も分かっていてもなかなか抑えられないので…喉元過ぎればなんとやらで、すぐに調子に乗ってしまいます。まぁ、誰でもそんなもんだと都合よく考えてしまうのですが笑
というように、自分の生活習慣や考え方が病気の原因だと病気から教えてもらったと思って、今はなんとか付き合っているところです。
もちろん病気にならない方が良いし、病気になる前に予防をしてよりよく生活をしていくのが養生というものだと思うので、そうできると良いのですが、万一病気や怪我をしてしまったらそのことを嘆いているだけではなく、それを今までの生活を見直すきっかけとして、病気や怪我を治したり再発しないように予防に役立てたり、うまく付き合っていく方法を探すのに役立てていただけたらとも思い、今回のコラムを書きました。
とは言え、そんなふうに考えられる病気や怪我だけではないのも承知しています。青天の霹靂、理由なんて何もない!というものに自分も直面しているので…
それでも、何か前向きに考えるきっかけを見つけていただけたらと、常に考えてお話を聞き、施術させていただいていますし、来たいただく皆さんから私も多くのことを学ばせていただき、自分の病気に対するどうしようもない気持ちの部分を整理できたりもしています。なかなかお役に立てないこともありますが、一緒に考えさせていただく、そんな気持ちを忘れないようにしたいと思っています。
最後に、院に来ていただいた方には東洋医学のお話をたくさんさせていただくのに、自分の心臓は最新の医学の賜物であるペースメーカーというと機械に支配されているのは少し心苦しいのですが、なかったらそんなお話もできないのでどうかご容赦を…。
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